更新日：2023/06/30
「究めた先に、あるもの」をコンセプトに、食中酒としての日本酒の価値を追究する吟天。
令和5年6月、吟天ブランドの1酒が、フランスで開催される国際的な日本酒コンクール“Kura Master2023”にてプラチナ賞を受賞。そして2酒が、世界中の女性ワイン専門家が選ぶ“フェミナリーズ世界ワインコンクール2023”の日本酒部門で金賞・銀賞に輝きました。
受賞記念として、吟天代表の小田切崇が定期開催する『SAKEペアリングの会（吟天の会）』が、吟天ブランド酒多めにグレードアップ！
手打ち蕎麦と日本料理の店・汐見にて、吟天ブランド5酒を含む7種類の日本酒と、入梅時の味覚を味わう会として開催されました。至福のひとときをレポートします。
＊日本酒のコンテストについては、こちらのコラムもご参考にしてください。
● ＜ホタテとパッションフルーツの和えもの × GINTEN blanc＞
● ＜イサキの焼き魚―トマトと合わせてー × 吟天光龍2021＞
● ＜牛タンの出汁煮―塩水ウニのせー × 吟天白龍2016＞
四季折々の食材を使った繊細で丁寧な日本料理と、自家製粉・手打ちの十割蕎麦を味わえる名店「汐見」。
群馬県赤城産の蕎麦の実にこだわり、その日出す分だけを手打ちする蕎麦は、十割そばの常識を覆すほどしなやかです。料理に合わせる日本酒の品揃えも自慢。唎酒師が在籍し、おすすめのお酒を紹介してくれます。
≪お店情報≫
住所：東京都新宿区早稲田鶴巻町556松下ビル1階
電話：050-3033-4404
コースのスタートは、旬を迎えた鱧のフライ。
カウンター越しに現れる揚げたてをいただきます。
一口かじると、こんがりときつね色の衣から真っ白な鱧の身が登場。ホクホクの食感と、上品な旨味が塩で際立ちます。
合わせるのは、『吟天白龍2021』。
グラスに注いだ瞬間から立ち上る泡は真珠のようで、華やいだ気持ちになります。
クエン酸の爽やかな酸味が、揚げ物のサクサクとした食感とマッチして楽しい組み合わせ。
鱧のきめ細かな歯ざわりと、『吟天白龍2021』の細かな泡が引き立て合います。
つぶつぶとしたパッションフルーツの種がインパクト抜群！
肉厚のホタテと、加賀太胡瓜の和えものです。
「果物と胡瓜と魚介？」と不思議に感じる組み合わせですが、ホタテの甘みとパッションフルーツの酸味、そして加賀太胡瓜の青い香りが合わさって、絶妙に爽やかな味わいです。
合わせるのは、『GINTEN blanc』。
フェミナリーズ世界ワインコンクール2023で銀賞を受賞した、本日の主役のうちの1本です。
ドライな白ワインを思わせるフレッシュさで、生の魚介と相性抜群。
程よい酸味と穏やかな香りが、ホタテの甘みをすっきりと引き立てます。
パッションフルーツ種を噛むと感じられるほんのりとした苦味と、blancの後味との組み合わせも大人の余韻が感じられて秀逸。
これから続くコースのメインに向かって、食欲が高まる組み合わせでした。
お椀を開けると、おろしたすだちの皮のいい香り！
澄んだ出汁に、荒く刻んでホロホロとした食感が楽しい入梅鰯のつみれと、香り高い蕎麦がきが入っています。
合わせるお酒は、真澄『突釃』。
「突釃」とは、日本酒の製法の名前。
しぼりの作業をタンク内で行い、お酒の浸透圧だけで自然に滲み出させるという特別な手法です。空気に触れる時間を減らすことで、やさしい味わいに仕上がるといいます。
上品な出汁の風味を、突釃のふくよかな味わいが引き立て、ひとくち飲んだだけでため息が出そうです。
香りはさり気なく、蕎麦がきの香ばしさと出汁の香りをたっぷり味わうことができます。
入りは微炭酸で楽しく、後味はさらり。
旨味の強い鰯つみれもふわりといただけて、大満足のペアリングでした。
クエは上品な白身ながら、ほどよい歯ごたえがあり噛むほど旨味が出てきます。
炙ったタチウオは、香ばしい皮と程よい脂、ほろりとした食感のバランスが絶妙。
そしてカツオは、漬け込みによって水分が抜けねっとりした食感となり旨味と相まって存在感抜群です。
合わせたのは、百十郎の『Limited DRY 純米吟醸』。
なめらかかつ淡麗な味わいで、魚のくさみを感じさせることなく、風味を引き立てます。
白身と合わせれば互いの旨味を感じさせ、漬けカツオと合わせれば存在感を引き出しつつ米の甘みが際立ち、どんどん箸が進んでしまう1杯です。
淡白なイメージのあるイサキですが、実はかなり旨味の強い魚なのだと驚かされる1皿です。
香ばしく焼き上げられた皮とふっくらした身のコントラストも秀逸。焼いたトマトをソースのように絡めていただきます。
ハーブの香りも相まって、和とも洋ともいえるやさしい味です。
ペアリング酒は、本日の真打ともいえる『吟天光龍2021』。
Kura Master2023でプラチナと純米大吟醸部門のトップ5に選ばれ、フェミナリーズ世界ワインコンクール2023では金賞に輝いたお酒です。
口当たりなめらかながら、旨味はしっかり。白ぶどうを思わせるフレッシュな香り。
それでいて主張しすぎず料理と調和する塩梅は、2年の熟成を経て生まれたといいます。
繊細な味わいが、トマトとイサキのこれまた繊細なバランスと溶け合い、まさにペアリングの妙を感じる組み合わせでした。
シンプルに出汁で煮た牛タンは、箸でほぐれる柔らかさ。噛めばほどけて旨味があふれます。
そのうえさらにウニまで乗っているという、贅沢な組み合わせには驚きです。
ミョウバン無添加の塩水ウニはとろりと濃厚で、深い甘みに。
合わせたのは、『吟天白龍2016』。
すっきりとした味わいは『吟天白龍2021』と共通ですが、酸味と発泡はより穏やか。
熟成によって旨味とほんの少しの苦味が加わり、ウニとも牛タンとも調和する分厚い味になっています。
天ぷらは、季節の野菜を一品ずつ、揚げたそばから持ってきてくださるスタイルです。
熱々をいただくのはまた格別！ 天つゆではなく、塩でいただきます。
合わせたお酒は『吟天水龍』です。
華やかな吟醸香が、泡と一緒に立ち上るスパークリング日本酒です。
口当たりは軽快ながらも米の甘み・旨味が感じられ、油ものにも負けない味わいがあります。
天ぷらは、茄子、ズッキーニ、ヤングコーン、車海老の4種。
季節の野菜は瑞々しく、とろり、しゃっきり、つぶつぶとしたそれぞれの食感の楽しいこと！ 噛みしめると甘さが出てきます。
特に、まさに旬真っ盛りのヤングコーンは、コーン自体の穀物的な甘みと、吟天水龍の米の旨味が好相性。箸も盃も進みます。
車海老の、野菜とはまた違った淡白な甘みとふっくらした食感は、シルキーな泡とぴったりです。
バラエティに富んだタネにそれぞれ合う、吟天水龍の包容力を楽しみました。
大充実のコースの〆は、もちろんお蕎麦。
薄く切ったすだちが一面に散らされた、目にも涼しい冷やし蕎麦です。
清々しい香りと、透き通った出汁、そして細いながら香り満点のお蕎麦が、繊細なバランスでのどに滑りこんできます。
あれだけ食べたお料理とたっぷり飲んだお酒で満腹なのを全部忘れてしまうほどの爽やかさです。
梅雨時の重たい空気を拭い去るような、華と涼ある逸品でした。
この度『吟天光龍2021』、『GINTEN blanc』の2酒が、世界的なコンクールで入賞しましたこと、とても嬉しく思っています。
吟天は、「料理とのペアリングで最も価値を発揮する日本酒」を目指して生まれました。
その吟天が、世界の美食のメッカともいえるフランスで評価されたことはありがたく、自信にもなります。
本日味わった繊細な和食との組み合わせはもちろん、フレンチ、イタリアン、中華など、さまざまな料理とのコラボレーションを楽しめるお酒として、引き続き歩んでいきたいと思います。
今後ともご期待ください。
日本酒ペアリングの楽しみを多くの方に知ってもらうべく、毎月第2火曜夜にSAKEペアリングの会（吟天の会）を開催しております。
その他にも、ミシュランスターホルダークラスのシェフとのコラボ企画などを不定期で開催中です。
開催情報は随時、ショップサイト並びに公式Facebookページにて発信しています。
ご興味のある方は、下記のリンクよりお問い合わせください。
みなさまの参加をお待ちしております。
吟天 定例会お申し込みはこちら
開催情報:吟天グルメ
松下 梨花子 （まつした りかこ）
管理栄養士・ライター
東京農業大学にて栄養学を学び、給食会社に管理栄養士として就職。その後、食と健康についての情報を伝える仕事をしたいと、ライターに転身。書籍や雑誌、webなどで取材・執筆活動を行う。
趣味は、食べること、飲むこと、踊ること。
豊富なスパークリング日本酒・awa酒、厳選した地酒の日本酒オンラインショップ、吟天。
近年、女性人気も高まっている日本酒のご購入には吟天をご利用ください。
通販での販売に加え、日本酒ペアリング食事会（毎月第二火曜）を主催。
随時開催のフレンチ・イタリアンのペアリング会もございます。
吟天シェフ酒サイトでは、日本酒とさまざまなお料理とのペアリングをご紹介し、
さらに美味しく、楽しい日本酒の世界へご案内いたします。
