山本合名会社は、明治34年(1901)に、八峰町で創業しました。
ハタハタ漁や魚醤である「しょっつる」で有名な町ですね。
杜氏制を廃止するなど、革新的な酒造りをしていることで有名です。
眉間に皺をよせて、重箱の済をつつくような酒造りには興味がなく
微生物の生命活動を補助するだけ、というのが代表の言葉。
非常に豊富な種類のお酒を造っていますが、
そのどれもが山本らしさを残しつつ、おいしいお酒に仕上がっています。
秋田の若手蔵元集団「NEXT5」の一角であり、
年々知名度が上がってきています。
世界遺産である白神山地に湧き出る天然水を自家水道を利用して引き込み、
酒造りの全ての工程に湧き出たままの状態で使用しています。
この天然水を用いて酒米の栽培も行っており、
酒米、酒造りの全工程で同じ天然水を使っているのは全国的にも前例がなく、
非常に高い付加価値を持っているといえます。
また、同社は平成22年に醸造アルコールの添加をやめ
純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒のみを造る
純米蔵となっています。
個性的なラベルでも有名な同社の代表格は、
「山本ピュアブラック」です。
秋田県内のお酒は甘く感じるものが多いですが、
こちらのピュアブラックは辛口で切れ味鋭い一本。
蔵元いわく、「日本刀のような鋭い切れ味」をイメージしたそうです。
ただ辛いだけでなく、確かな米の旨味も感じさせます。
スッキリとして非常に飲みやすく、飽きのこない味。
リンゴやミントのような甘く、かつ爽やかな香り。
香り自体の印象は弱めです。オレンジのようなジューシーな酸味を感じます。
フレッシュかつ余韻のシャープさを生かして、
赤身や貝の刺身、脂の乗った焼き魚など、
旨味の強い魚料理と合わせると、お酒をより楽しめます。
若い方から年配の方まで、幅広い世代におススメできます。
冷蔵庫でキリっと冷やして楽しみたい食中酒です。
人気蔵となり、日本酒の生産が追いつかない状態が続いています。
手に入るうちに、ぜひ試してもらいたい美酒です。