一握りした稲の束を、男性はスパッと一息に刈ることができますが、女性で一回に刈りきれないかたは、引きながら何回かに分けて刈っていきます。
それを男性なら一回に5束、女性なら3束程度を繰り返し、持ちきれなくなったところで土手側に置きに行く作業をひたすらに行います。
私も初めての体験でしたが、しゃがみながら刈っては、立ち上がって運ぶ作業を繰り返すのはなかなかな労働!午前中いっぱい続いた作業でいい汗かきました(笑)
コンバインで脱穀
午後からは刈り取った稲をコンバインの脱穀機にかけ、藁と籾を分離していきます。
つい先ほどまで田んぼにそびえていた稲が私たちの知るお米へ近づいていく、とても感慨深い体験でした。
米作りミッション達成!なんと1.3倍の収穫量!
穫量は中野さんの知り合いの無農薬農家さんの約1.3倍だったとのことで、とても良い出来になりました。私たちの6アール分の収穫量としては246kgで、お酒造りに最低限必要であった200kgを無事クリアしました!
さて、残された藁のほうは通常であれば粉砕されて田んぼの肥料になるそうですが、今回は別プロジェクトで使用するため持ち帰りました。
持ち帰り後は早めに広げて乾燥させないと納豆菌が繁殖してしまうそうなので、サケノアルケミスト メンバー 宮内宅へ運び込み乾燥させたのはまた別の話(笑)
乾燥までに10日ほどかかったそうです。
その後、無事乾燥した藁でしめ縄飾りを製作したプロジェクトについては、次回ご報告いたします。
豊穣のカヤネズミ
▲中央の渦状のものがカヤネズミの巣
最後に、稲刈りの途中で偶然に見つけたカヤネズミの巣についてです。
カヤネズミをご存じでしょうか?
カヤネズミは、体重7~14g。日本では一番小さなネズミです。本物は見かけることありませんでしたが、写真でみると大人の親指くらいのサイズでとてもキュート。
稲を食べられてしまうのでは?と思われるかもしれませんが、稲はほとんど食べず、水田の雑草などを主食としているそうなのでご安心を!
地域によっては、絶滅も危惧されているそうで、中野さんによるとカヤネズミがいるのは豊かな田んぼである証拠とのこと。
人の手があまり入らず、農薬も使われない。そんな自然栽培の田んぼだからこそ小さな生き物にも優しい環境なのでしょう。
そんな、豊かな田んぼで造られたお米が美味しくないわけがありません。そして、美味しいお米で醸されたお酒も??
是非、皆さん楽しみにしていただければと思います。
ライター紹介
ワタナベイナリ
千葉県船橋市出身。
SakeDiploma・日本酒学講師・唎酒師・酒匠、全国で約80名のSSI専属テイスターの一人。
講師として活動をする際は、地元千葉の日本酒を用いて講義をすることをモットーとしている。
またオリジナルの「スパイスと日本酒」講座も開催。
本職の広告・プロモーションの知見を活かし日本酒の0→1体験を創出する。