吟天はサケノアルケミスト※と共同で米作りを始めました!
しかも、取り組むのはプロの農家さんでも難しいと言われる自然栽培です。秋の収穫後は、そのお米を使用したお酒造りにも挑戦していく予定です。
さて、今回は稲刈り作業直前の稲の様子のご報告と、収穫された稲を使ってお酒造りをしてくださる酒蔵のご紹介をいたします!
※日本酒有資格者4名による日本酒プロモーションチーム
https://www.instagram.com/sakenoalchemist/?hl=ja
若い力を総動員させた雑草取りからはや4か月。まだ夏の暑い陽射しが残りつつも、風にはほんのり涼しい秋の香りが感じられるそんな季節に、稲の様子を確認しに行きました。
まだ夏を感じさせる青空に、黄金色の稲穂の海が映える。。
いまは茎が太く成長し、稲穂も重く垂れていますが、今回わたしたちは、田植え直後に2回、雑草取りを行っただけ。
中野式の除草方法を行えば、あとの雑草取りは必要ありません。それ以外の、例えば田んぼの周囲の除草や水の管理は、田んぼを所有している農家さんが日々担当してくださいます。
農家さんの日々の管理とは?
▲水色タオルが綱川さん
田んぼの管理をしてくださっている綱川さんに、普段の管理についてお話しをうかがいました。
田植え直後にわたしたちが雑草取りを終えてからは、前述の通り、綱川さんは主に毎日の水の管理や田んぼの周りの草刈りを行っています。
稲はもともと、中国南部の雲南から、東南アジアのラオス、タイ、ビルマ周辺に広がる山岳地帯で生まれたとされる、熱帯性の植物です。
暑い環境が好きなので、昼間に冷たい川の水を引き込むようなことはせず、水を水田に張りっぱなしにし、水温を上げているとのこと。気温の下がる夜間に、タイマーをかけておいて冷たい水を引き込むようにしています。
この日は、草刈りを行っているところをお邪魔したのですが、田んぼの周りのイノシシよけの電気柵に雑草が触れてしまっていて通電しないので、草刈りをしていたとのこと。
中野式の自然栽培が生み出すつながり
▲真ん中が、中野さんと中野式除草機(田植え時の写真より)
中野式の除草方法は、農家さんが一番大変でやりたくない除草部分を消費者に担当してもらうことで、農家さんの自然栽培への取り組みのハードルを下げ、また消費者に対しては除草を担当することでお米への愛着や責任感を醸成し、また市場で買うよりも安い価格で自然栽培米を手に入れられるというメリットを提供する、双方よしのモデルと学びました。
ちなみに、アイガモロボットのように、中野式除草機を機械化することについて考えているのか、中野さんにお伺いしたのですが、その回答はとても興味深いものでした。
すでに農家さんは、コンバインなどの大型機械の購入で、負債を抱えている方がおおくいらっしゃいます。その中で、新たにロボットを購入することは、お米への価格転嫁のハードルが高いなか、さらに農家さんの負担を増やしてしまう結果につながりかねないとのこと。
また、自走ロボットの使用により、せっかくできた消費者とのつながりが消えてしまいます。
中野式の除草方法は、アナログな道具を使うことで手間暇がかかりますが、農家と消費者のつながりを生み出す点においてはロボットに勝るのだと気づきました。
中野式の除草方法では、田植え直後に雑草の芽生えを根絶やしにし、その後は稲が成長して日陰を作ってしまうので雑草が大きくは育ちません。
他の自然栽培方法では、雑草を根絶やしにできないので、稲が成長している間ずっと雑草と戦うことになり、また雑草に日光や養分を奪われ続けるので稲の収穫量を上げにくくなります。
中野さんいわく、普通の自然栽培田では1反から5~6俵程度の収穫が関の山ですが、中野式では、7~8俵の収穫が当たり前とのこと。
ちなみに、農薬や化学肥料を使う通常の農法では、10俵くらいは収穫できるものの、稲が倒伏しやすくなります。
わたしたちの田んぼからは、いったいどのくらいのお米がとれるのでしょうか?稲刈りが楽しみです。
コラボ酒蔵のご紹介
▲お酒を酌み交わしながら決起集会。一番右が立川さんです。
さて、ここで自然栽培米でお酒を造ってくださる酒蔵さまをご紹介します!
まずは、福岡県のLIBROM Craft Sake Breweryさま!
LIBROMを醸造されており、フルーツやティーなどのフレーバー酒が人気のクラフトサケブリュワリーです。吟天でも蔵訪問記を掲載してますので、こちら(リンク誘導)もチェックしてみてくださいね!
そして、福島県南相馬市小高区の酒蔵「haccoba」の元醸造責任者であり、今年7月にぷくぷく醸造を立ち上げられた、立川哲之さま!
全国各地の蔵を間借りし、主に福島県浜通り産のお米で、クラフトビールの革新的な技術も活用しながら、日本酒やクラフトサケを醸造しています。
現在、お酒のコンセプトやラベルデザイン、名前について、熱い議論を戦わせています。こちらについても、今後ご報告いたします!
腹が減っては。。
▲腹ごしらえに、海鮮丼と生牡蠣をオーダー。
実は、わたしたちの田んぼは茨城県と栃木県の県境近くにあり、少し遠回りして那珂湊おさかな市場に立ち寄ることができました!
このあたりに親戚の多いわたしとしては、新型コロナウイルスの影響であまり最近行けていなかったので、懐かしさと嬉しさで胸がいっぱいになりました……!
那珂湊おさかな市場で次回予告!
▲おいしい海鮮でテンションが上がった宮内
次回は、ついに稲刈りです!主に機械を使っての刈入れですが、一部、手での刈入れを体験させていただいたので、次回のご報告をお楽しみに。
また、稲藁を一部持ち帰らせていただき、これを活用したイベントも実施予定です。乞うご期待!
ライター紹介
宮内菜奈子
千葉県旭市出身。
J.S.A. Sake Diploma、WSET SAKE Level3、SSI国際日本酒講師。
東京大学・東京大学大学院では、イネの環境耐性機構について研究。
大学時代に日本酒にハマり、2018年にミス日本酒茨城代表を務める。
外資系金融機関を経て、地方ツアーを通して日本産酒類消費増に貢献すべく、2022年7月に株式会社イリスを設立。