概念が覆る「色・香・味」の変化。日本酒の新しい扉を開く3つの五感体験。熟成した日本酒の魅力。


概念が覆る「色・香・味」の変化。日本酒の新しい扉を開く3つの五感体験。熟成した日本酒の魅力。

日本酒の熟成酒(熟成古酒)とは、長期間にわたって貯蔵・熟成させることで、新酒にはない深いコクと複雑な香りを引き出した日本酒のことです。ワインやウイスキーのように、時の経過を価値に変える「時の芸術品」とも言われ、近年国内外で非常に注目が高まっています。
酒税法上の厳密なルールはありませんが、「長期熟成酒研究会」では「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」を一つの基準(定義)として定めています。熟成期間は3年ほどのものから、中には10年、30年を超えるヴィンテージものまで様々です。
長期間寝かせることで、お酒の中の糖分とアミノ酸が反応し(メイラード反応)、風味や見た目がドラマチックに変化します。特徴的な変化は3つあります。1つ目は「色合い」で、透明な新酒から、淡い黄金色、そして琥珀色や赤褐色へと神秘的に変化します。2つ目は「香り(熟成香)」で、お米の爽やかな香りから、カラメル、蜂蜜、ドライフルーツ、ナッツやキノコを思わせる、甘く芳醇で複雑な香りに育ちます。3つ目は「味わい」で、アルコールのカドが取れて驚くほどまろやかになり、とろりとした濃厚な旨味とコクが生まれます。

熟成酒の大きな良さは、ただ寝かせるだけでなく、緻密な温度管理によって新酒にはない極上の口当たりを生み出せる点にあります。特に吟醸酒などを「氷温(0℃以下でお酒が凍らない温度)」で数年間じっくりと保存する「淡熟タイプ」は、その真骨頂です。本来の華やかな香りを美しく残したまま、時の経過とともにアルコールのカドが取れ、驚くほどまろやかで気品ある端正な味わいへと仕上がります。この「氷温での数年保存」という贅沢な手間ひまこそが、これまでの日本酒のイメージを覆す、とろけるような至高のまろやかさを実現しています。

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